中国:書店元経営者に言語道断の懲役10年

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2月25日、中国東部・寧波(ニンポウ)の中級人民法院は、香港の書店元経営者の桂民海(Gui Minhai)さんに対して、外国に違法に情報提供した罪で実刑10年と公民権剥奪5年の判決を下した。

桂さんは、2015年に中国政府に批判的書籍を出版して失踪した銅鑼湾書店関係者5人の一人だった。

その後、タイにいたときにも再び失踪し、2016年、中国の国営メディアで、「車を運転中にひき逃げをした」との自白を強要され、服役した。翌年、釈放されたものの、厳しい監視下に置かれ、移動の自由を制限された。

2018年1月、北京のスウェ―デン大使館付きの医者の診察を受けるために、スウェーデンの外交官と北京に向かう途中、拘束された。そして今回の判決を言い渡された。

当局は、桂さんが保護観察中に何らかの方法で国の機密情報を漏らしたと主張するが、漏洩の根拠をまったく示していない。処罰の背景には、桂さんが、スウェーデン人外交官と行動を共にしていたことにあるのは、ほぼ間違いない。

根拠がない容疑に極めて重い判決を下したことは、新型コロナウイルスで国家が危機に直面していても、中国政府は、政府批判者への弾圧に余念がないことを物語る。

桂さんは、公正な裁判の機会を与えられず、非公開の法廷で判決を受けたと思われる。

中国当局は、桂さんが犯したとされる犯罪を明白な証拠で立証できなければ、即時無条件で釈放すべきである。

アムネスティ国際ニュース
2020年2月25日

出典:アムネスティ.中国:書店元経営者に言語道断の懲役10年©アムネスティ2019