アムネスティ:2017 年の 死刑判決と死刑執行

2017 年の 死刑判決と死刑執行
写真出所:アムネスティ

2017 年の 死刑判決と死刑執行

アムネスティ・インターナショナルの死刑統計数値に関して

この報告書は、2017 年 1 月から 12 月までの法に基づく死刑に関する情報を扱う。前年度までと同様、情報源は公的統計数値、死刑判決を受けた個人やその家族、弁護人からの情報、その他市民団体からの報告、メディア発表など多岐にわたる。死刑執行、死刑判決、その他減刑やえん罪の無罪判定に関して、信頼できる情報のみを報告する。多くの国々で、政府は死刑に関する情報を公開していない。ベラルーシ、中国、ベトナムは、死刑執行数を依然として国家機密とみなす。2017年、ほぼ、あるいはまったく情報が得られなかった国もあり、特にラオス、リビア、マレーシア、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、シリア、ベトナム、イエメンでは、情報開示制限や武力紛争のために情報を得ることができなかった。したがって、ごく少数の例外を除き、本報告書で表す数値は最小値となる。実際の数字は、おそらくかなり高い。特定の年に特定の国に関し、より完全な情報が得られた場合は、報告書に明記している。

2009 年、アムネスティ・インターナショナルは中国における死刑の推計値の公表を中止した。中国当局が、アムネスティが提示した数値を歪めて伝えることへの懸念があったためである。中国では情報へのアク セスが制限されるため、アムネスティが発表できた数値は実際よりも著しく低いことを、私たちは常に明確にしてきた。中国はいまだに死刑に関する数値を公表していない。しかしながら、入手した情報は、中国では毎年、何千という人びとが死刑判決を受け処刑されていることを示している。アムネスティはあらためて、中国政府に対して、死刑に関する情報を開示するよう求める。

本報告書の発表以後にアムネスティが情報を新たに入手し、その情報を検証できた場合は、オンラインで数値を更新している(www.amnesty.org/deathpenalty)。

文中や図表で隣の数字に「+」がついている場合<例えばイントネシア〔47+〕>は、アムネスティは、インドネシアで 47 件の死刑執行または死刑判決を確認したが、実際には 47 件より多いと考えていることを意味する。国名の後に「+」がついているが数字はついていない場合<例えばイラン〔+〕>は、アムネスティはその国で 1 件以上の執行または判決があったことを確認しているが、信頼できる最小値を出すほど十分な情報を得ていないことを意味する。世界的および地域別の総計の場合、「+」は、中国の場合も含め、2 件とカウントした。

アムネスティは、犯罪の種類や状況、犯罪の有無、個人の特質、死刑執行方法などを問わず、例外なく死刑に反対する。そして死刑の全面的な廃止に向けて活動している。

 

(『2017 年の 死刑判決と死刑執行』  全文

Amnesty International. 2017 年の 死刑判決と死刑執行 © Amnesty International 2018.