Source: CAG
全文(翻訳):
別名、東方閃電としても知られる全能神教会 (CAG)は、長年中国共産党政府から最もひどい迫害を受けている中国のハウス教会の1つである。1991年の設立以来、同教会は中国共産党政府による残酷な弾圧と迫害に耐え続けてきた。1995年に中国共産党政府は、「宗教の名を借りた詐欺:気功」と「教会リーダーの神格化」などの罪状を捏造して、邪教として同教会を非難し、同教会に対する残酷な弾圧と迫害を行った。概算の統計によると、2011年から2013年までのわずか2年の短期間に中国共産党政府により違法に逮捕され、拘留され、処罰を受けた同教会の信者数は、380,380人に達した。このうち 43,640人はいかさま裁判により様々な方法で拷問を受けている。この中には迫害により死亡した13人も含まれている。現時点でも、共産党が同教会のキリスト教徒を殺したという十分な証拠書類がある事例は既に44件ある。(詳しくは、「全能神教会に対する中国共産党の迫害の略歴(A Brief History of the CCP’s Persecution of the Church of Almighty God)を参照。)2017年も、共産党による同教会の弾圧は引き続きエスカレートしている。
中国共産党政府は宗教の信仰に対する弾圧を強めている。
2017年に中国共産党政府は、「二高」 (中国の最高裁と最高検察院)の司法解釈を発表し、新しい「宗教問題に関する規制」を可決することで、宗教の自由に対する公民権を更に制限して、宗教信仰に対する弾圧と迫害を強化した。
2017年1月に中国の最高裁(最高人民法院)と検察院は共同で、「最高裁と検察院の解釈:邪教組織を組織化して活用することにより法律の強制執行を妨害する等の犯罪に対応する際の法律適用に関する諸問題について」を発表し、12017年2月1日に正式に施行した。この「解釈」では、いわゆる「邪教組織」に関する宣伝資料を判断するために、定義、判決、手続を設定し、7種類の自由な宗教活動に対して厳しい処罰を定めている。この7種類とは、学校や教育機関と研修機関における説教、未成年に対する説教、公務員の宗教活動への関与などである。この文書の発行により刑法の範囲が拡大され、刑法に市民の政治的権利の剥奪と個人の自由の制限が組み込まれ、共産党が同教会などのハウス教会のキリスト教徒を更に厳しく有罪化・処罰できるよう、更に多くの法的根拠が提供されている。
2017年8月26日、中国の李克強首相は改定された「宗教問題に関する規制」2に署名した。この規制は、2018年2月1日に施行される予定である。この新規制は、今までより遥かに宗教機関の運営を注視し、未登録の宗教活動の宣伝・活躍に対する制限を著しく強めている。更にこの規制では、今まで政府が公に認めていた宗教教育と研修及び海外交流を明確に禁止し、宗教関連の資金調達、刊行物の発行、オンライン宣伝に対する禁止規定と監督規定を多数追加している。新しい規制では、政府部門と宗教問題国家管理局に監視権限と管理権限を付与し、今後の宗教信仰の抑圧、迫害及び禁止に向けて強力な法的根拠を与えている特に同規制の文面では、ハウス協会の宗教活動、宗教教育、海外宗教活動を全て完全に抑え込んでいる。
中国共産党政府は「迫害範囲を更に拡大する特別世帯監視業務の開始命令」を発行した。
2017年1月14日、「国家最高人民法院長フォーラム(国家最高裁裁判長フォーラム)」中に中国最高裁のツォウ・チャン(周强)裁判長は邪悪な邪教との闘争を更に真剣に行う必要性に言及し、同教会を処罰する取り組みに更に尽力するよう求めた。
2017年年初から、中国共産党政府は中国本土で全面的な特別世帯監視(ドアノック作戦)を開始した。この作戦では、家庭と世帯の全てのドアをノックして、いわゆる「邪教」の信者を捜索することで、「包括的な」「捜査網」による捜査を実施する。中国共産党の党紀によると、3この作戦の目的は、いわゆる「邪教」の信者活動のシステム、信者、方向性を包括的に把握するとともに、逃げた信者を追跡して捕まえる作戦を実行しつつ邪教信者の情報管理システム(データべース)」を共有し、これにより管理・監視ネットワークと邪教の全てを記載した「一元管理帳」を創造することである。この作戦により、同教会のキリスト教信者は更に大規模な迫害に晒されている。
2017年1月に開始されたばかりで1月から同年9月30日までの不完全な統計ではあるが、同教会の少なくとも3,362名のキリスト教信者が、中国本土の32省、自治区及び市町村で、共産党による迫害にさらされた。2,122名が自宅監視状態に置かれて、個人情報を収集され、「保証状」(棄教や共産党への忠誠心を保守する保証書)を書くように脅かされ、写真を撮られたりビデオに録画されたり、監視されたり、指紋や血液サンプル、髪を採取されたりするなどされ、204名が自宅を違法に捜索され、1,036名が違法に逮捕されている。 今年迫害された人々に関する統計のうち、十分な証拠書類がある件のうち、57人が投獄、 25人が拷問、12人が強制的に思想改造をされ、 592人が短期や長期に拘留された。 (添付:「2017年迫害事件の抜粋」)
共産党政府は現在全面的な捜査を実施して同教会のキリスト教信者を不当逮捕中であり、そのため多くのキリスト教信者が身を潜めている。逮捕されたキリスト教信者や監視後釈放されたキリスト教信者の多くが接触不能になっているため、捉えられ迫害されたキリスト教信者全員に対して、包括的で詳しい調査を実施することが難しい状態である。2017年に逮捕・迫害された同教会のキリスト教信者の数となると、前述の統計は氷山の一角にすぎない。
共産党政府は「海外連合前線」作戦を拡大して、全能神教会に対する迫害の合法化を図っている。
2014年の「5月28日マクドナルド店殺人事件」以来、同教会のキリスト教信者は、中国共産党政府の残酷な逮捕と迫害から逃げるために、国外の様々な国に逃亡して難民の地位を求めざるをえなくなっている。これに対して、共産党政府はキリスト教信者に対する捕獲・迫害作戦を外国に拡大して、「海外共同戦線」作戦を強化している。この作戦の焦点は、他国で同教会を迫害することである。2017年に共産党政府は、国内居住者の中国脱出を厳しく管理する一方で、海外の同教会キリスト教信者と家族の履歴を詳しく確認して、海外にいる同教会の信者が中国へ帰国するよう家族を利用して圧力をかけようとしていた。中国共産党は海外に逃亡したキリスト教信者の親戚にパスポート申請させて、彼らを組織化して海外世論を操作させ、同教会を罠にかけ中傷し名声を傷つけて攻撃し、真実を知らない大衆が同教会に対して立ち上がって対抗するように仕向け、中国国内で迫害を続けるべく同キリスト教信者に中国に帰国するよう強制しようと試みている。
同時に、共産党政府は西洋諸国の専門家、学者、ジャーナリスト、海外在住中国人リーダーを招き、でたらめな情報を巻き散らし続けて、同教会を中傷して非難している。この目的は西洋の有力者に同教会に対する弾圧と迫害を擁護してもらうことである。
2017年4月5日に共産党が発行した「2017年河南省党委員会上層部による邪教問題防止・対応に関する主要作戦ポイント」では、中国共産党に好意的な海外筋を全面的に活用して、西洋諸国の有力な専門家、学者、ジャーナリスト、海外の中国人リーダーなどを動かし、中国共産党の大義名分を支援してもらうことを提案している。
同年6月と9月には、共産党は河南と香港で別々に国際反邪教学会会議を開催した。同会議の中核議題は、共産党による「邪教」の定義及び共産党が同教会を邪教組織として非難する理由を討議することであった。共産党は同会議に著名な欧州人や米国人の宗教専門家や学者を数人招き、「5月28日マクドナルド店殺人事件」などの噂を利用して、同教会に対する中傷を続けた。西洋の学者を混乱させ、共産党の同教会非難に同意させ、同教会に対する迫害の動きを合法化することで、同教会を徹底的に根絶しようとしたのだ。
このようにして新興宗教研究センター(CESNUR)の常務取締役のマッシモ・イントロヴィーネ(Massimo Introvigne)教授は、共産党が開催した会議に2度招聘され、招遠市の「マクドナルド店殺人事件」について詳しい研究を行った。研究の最後に同教授は次のように結論した。5月28日の招遠市の殺人事件は同教会と全く関係がなく、いずれの犯人も同教会の信者になったことはないと。同教授は5月28日殺人事件関連の研究を要約した記事も、CESNURジャーナル(9月‐10月号)に発表した。4それから間もなく、米国バージニア州リッチモンドのバージニア・コモンウェルス大学で宗教研究と社会学の教鞭を取る著名な米国人教授ディヴィッド・G.ブロムリー(David G. Bromley)が、マッシモ・イントロヴィーネ(Massimo Introvigne)教授と共同で、マクドナルド店殺人事件に関して共産党から提供された文書を調査した。ここでもまた犯人は「同教会とは別の独立的なグループのメンバー」であり、同教会信者ではなかったことが示唆された。これらの宗教専門家の研究結果は、共産党が流した「招遠市の殺人事件は同教会の仕業」という中傷的な噂を打ち砕いた5。「信念の自由のための欧州連合」6、イタリアのカウンセリング・センターSRS(セクト・宗教・スピリチュアリティ)7、韓国の主要ビジネス・ジャーナル(프라임경제)8 、NBNニュース9などの報道機関も、5月28日マクドナルド店殺人事件を客観的に報道した。5月28日事件の裏に隠されていた本当の真実が、徐々に世界に知られ認められるようになった。
添付 I: 2017年の事件(抜粋)
(1) 河南省開封市のキリスト教信者1人が2回逮捕され、その消息が未だに不明。
チェング・シャオドング(程小動) (女性、56歳、尉氏郡開封市は同教会のキリスト教信者であるが、神を信じていると密告者に警察に通報された。2012年10月22日夜、福音を説いて夕べを過ごした後、帰宅中に地元警察の警官4人に逮捕された。
警察署でチェング・シャオドングは3人の警官に尋問された。「いつ神を信じ始めたのか?誰が誘ったのか?」シャオドングが答えないと、警察は彼女にコショウを吹きかけた。その後、3人の警官に激しく殴られ、数か所に打撲傷を負った。ある警官は怒り狂ってこう言った。「頭蓋骨や骨が砕ける気分を味合わさせてやる!」
10月23日午後8時、チェング・シャオドングは4人の警官によって開封市の留置場に移された。留置場で38日間過ごした後、警察署の警官2人がまた彼女を尋問した。「お前は何を信じているのだ?言え、言わないと、ここで腐らせてやるぞ。息子にお前の死体を取りに来させるぞ!」最後に警察はチェング・シャオドングを「邪教に参加して公共秩序を乱した」罪で非難し、留置場で11カ月間拘束した。2013年9月25日に釈放された。
チェング・シャオドングは釈放時に、逮捕後に自宅が捜索されていたことを知った。彼女の夫はキリスト教信者で、逮捕されないよう、寒い冬に100㎞追われながら開封市に逃げ、逃亡生活を開始した。彼女が釈放されるまで、夫は敢えて自宅に帰ってこなかった。この期間中、チェングの家族はチェング・シャオドングの件を丸く収めるために、当局に6,500人民元を払っていた。
チェング・シャオドングは釈放後、共産党警察の監視下に置かれた。時々警察はチェング・シャオドングに公安局と警察署に出頭させた。チェング・シャオドングの息子夫婦に彼女の動向を監視させさえした。釈放後数年間、チェング・シャオドング夫婦の神を信じて集う権利は、共産党の迫害によって、完全に奪われていた。
2017年5月17日、警察はまたチェング・シャオドングの家に押し入り、無理やり彼女を連れ去った。彼女はそれ以来家に帰っていない。彼女の消息と彼女が辿った運命は今も不明である・・・
(2) 河北省邯鄲市のキリスト教信者が福音を説いて狩られ、指名手配リストに載った。彼の家族が巻き込まれて息子が警察によって連れ去られ、今日に至るまで消息不明。
2012年12月17日午前11時頃、河北省邯鄲市の同教会キリスト教信者メング・チェンハオ(孟正浩)は、65歳のキリスト教信者(赤ん坊を抱えていた)を乗せて自分のバンを運転し、福音を説くために、ある村に向かっていた。その途中、メング・チェンハオは、パトカーに乗った町警察の警官4人に後を付けられた。 同時に警官3人がセダンに乗った町長に率いられ、メングの車の前に立ちふさがった。その後、町の警察署長も警官2人を率いて車でやってきて、逮捕に参加した。町長は警察にレンガや木の塊、その他の障害物を路上に置かせ、2台のトラックも派遣して道路を塞いだ。町長と警察に囲まれて立ちふさがれ、メングは停止せざるを得なかった。警察署長がメングの首筋を掴み、顔を2回平手打ちした。警官3人がメングに駆け寄ってメングを地面に押し倒し、後ろから手錠をかけた。警官はメングを無理やり立たせてパトカーの中に押し込み、令状なしで、警察署に連れて行った。警官2人は、怒り狂って木の棒でメングの車のフロント・ガラスさえ叩いた。
警察は拷問台に座れとメング・チェンハオに命じた。彼は30歳の私服警官に尋問された。「ここで何をしている?車の中に何がある?」車の中には自分の身の回りの品があると、メングは警察に正直に答えた。次に警察はメングのバンの捜索を開始したが、バンでは年長のキリスト教信者の女性が福音の品々を守ろうとしていた。しかし、警察は彼女の腕から力ずくで赤ん坊を奪い取り、彼女を車の外に引きずり出し、バンからMP5プレイヤー3台、神の信仰に関する本、福音資料40部、メングの身分証明書、車のライセンス、運転免許証、 現金35,000人民元を押収した。教会で何人かの年長のキリスト教信者が、メングが持っていた全ての福音資料と身の回りの品が警察に押収されたと聞き、警察署に行って理由を問いただして、メングの釈放と押収品の返却を要求した。警察署長はメングの釈放には合意したが、彼の所持品の返却は拒否し、メングから35,000人民元を押収した事実は否定した。その場にいたキリスト教信者は、それを聞いて怒った。片麻痺という病気を患っていた老齢のキリスト教信者は、警察にメングの金を返すように要求したが、35歳の警官によって雪の中に押し倒され、片麻痺の発作を起こした。何が起こったか見た警察は、しぶしぶメングがその老齢のキリスト教信者を車で医者の所に連れていくのを許可し、この機に乗じて全員を追い払おうとした。しかし、メングは金と所持品を返せと言い張った。年配のキリスト教信者数人もまた、メングの所持品の返却を警察署に要求した。警察署長は人々の怒りが高まるのを見て怖気づき、メングの身の回りの品をいくつか返したが、メングの身分証明の情報と指紋は頑として保持したままだった。メングは老齢のキリスト教信者を一生懸命医者に診せようとするあまり、返却された金額を数えず、帰宅後、35,000人民元のうち3,900人民元が足りないことに気づいた。厚かましくも、警察がメングの金を奪ったのだった。
翌日午前1時頃、30人以上の景観が、塀で囲まれたメング・チェンハオの庭を取り囲んだ。 その中の6人が塀をよじ登って中に入り、令状を見せずに、家をくまなく捜し回った。信仰関連の品は1つも見つけられなかった。メングは家にいなかったので、警官はあきらめるしかなかった。しかし、警察はメングを追うことを止めなかった。後日警察は、メングの親戚も全能神教会の信者ではないかと疑った。警察は同じ方法で親戚の家に押し入った。真夜中に塀をよじ登って侵入したのだ。その時、家の中にいた3人の女性は、侵入者が強盗だと勘違いして、恐怖に駆られて叫んだ。「助けて!強盗よ!」と。侵入者の1人が我々は警官だと伝え、何の令状も見せずに、家をくまなく捜索した。タンスから毛布や服を出して、その辺一体に物を散らかして滅茶苦茶にした。何も証拠が見つからず、肩をそびやかして去っていった。
それ以降、中国共産党に逮捕されないよう、メングの妻も子供2人(キリスト教信者)を連れて逃亡せざるを得なかった。2013年7月、警察は何度もメングの故郷に行って、メングを逮捕しようとしたが、失敗した。彼らはメングの弟の家族の家にも行き、弟にメングの居場所と携帯電話の番号を尋ねた。「金をちょっと出してメングの記録を消してもらえば大丈夫だ」と言って、メングの弟と70歳の母親をうまく説得した。その後、弟の携帯電話も監視した。2013年9月に警察はメングの知り合いのキリスト教信者の2人の子供(7歳と9歳)を警察署に連れてきて、メングの居所を尋問した。メングは居場所を変えざるを得なかった。彼の13歳の息子は学校を中退して家に引きこもり、娘は仕事に行けなかった。2014年には、公安局に勤めていたメングの親戚が、警察が報酬付き逮捕令状をオンラインに投稿したことをメングに教えた。2016年8月には、省当局がメングの世帯口座を凍結したとメングは母から聞いた。メングの家族は共同世帯口座だったので、この凍結でメングの兄弟は自動車ローンの活用、世帯登録、キャッシングサービス・カードの使用を制限され、家族全員の普段の生活に支障が出た。警察はメングの居場所を従弟にさえ聞いたが無駄だった。母の言葉を聞きながら、メングはいきりたってこう言った。「中国では神を信じることは、本当に一族全員を巻き込む犯罪だ!」
報道によると、2017年3月28日夕方、警察は夜家に入り、メング・チェンハオの17歳の息子を逮捕して県の公安局に連れて行った。省の機動部隊が彼を連れ去った後、現在まで彼の居場所は未だに不明である。2013年にメングが逮捕されてから、メングの家族は中国共産党政府に逮捕されないよう、住み家を離れホームレス生活を送っている。今までの所、メングは老母の世話をすることができず、息子の居場所を問い合わせることもできない。散り散りになった家族とホームレス状態に苦悩している。
(3) 山東省菏澤市で6人のキリスト教信者が逮捕され、うち5人が155,000人民元を脅し取られた。
2017年3月10日午後3時頃菏澤市の牡丹地区で、ツァン・チウラン(張秋蘭) (女性、53歳)、リー・ラニング(李蘭英) (女性、74歳)、ワン・シウリー(王秀麗)(女性、60歳)という 3人のキリスト教信者が地元のキリスト教信者ティアン・アイジュ(田爱菊) (女性、71歳)の家で集まっていたところを密告者に通報された。現地の公安局の私服警官数人が、身分証明書を見せずに家に押し入り、「違法集会」を口実にして、ティアン・アイジュの家を捜索した。ティアン・アイジュの信仰に関する本、MP5 プレイヤー2台、身分証明書を押収し(全て未返却)、4人をゲストハウスに連行した。
そのゲストハウスの中で警察は4人を別々に尋問した。警察はツァン・チウラン(張秋蘭)に「何年間チウランは神を信じているのか。誰が彼女に福音を説いたか、教会はいくつあるのか、誰がリーダーなのか」などを質問したが、成果はなかった。他の3人も1人1人尋問されたが、無駄であった。
リー・ランニングは 老齢であったことから、逮捕された日に釈放された。
3月11日に警察はツァン・チウランと他の2人を現地の留置場に連れて行った。
同じ日、ティアン・アイジュが逮捕されていたことを知らず、全能神教会のキリスト教信者であるリー・チング(李青) (女性、33歳)とツァン・メイラン(張美蘭)(女性、61歳)は、何かの理由でティアン・アイジュの家に行った。ティアン・アイジュの家を見張っていた3人の私服警官が、リーとツァンを強引に逮捕して、ゲストハウスに連れて行った。ゲストハウスの中で、警察は「お前の神への信仰は反革命的だ!」とリー・チングを叱責した。リー・チングは、「私達は天と地で万物を創造した唯一無二の神を信じています。政治に参加することなく神を信じています。 中華人民共和国の憲法は、中国市民が宗教の自由という権利を享受することを明確に定めています。なぜあなたは人民が神を信じることを禁止するのですか?」警察は「信仰の自由とは、三自教会への信仰のことだ!」と言い逃れた。この尋問で成果はなかった。この間リー・チングの夫は彼女のために被告側弁護士を雇ったが、その弁護士は中国共産党の警察と組んでいた。彼らはリーにもう神を信じていないという保証書を書くように強要したが、リーは怒って拒否した。この尋問中に警察はリー・チングの家を捜索するよう手配し、総計15冊の信仰関連資料を押収した(未返却)。3月12日、警察はリー・チングに「邪教組織を使い、法律の実行を弱体化させる」という罪状を課し、リーを留置場に連れて行った。
3月16日、ワン・シウリ―(王秀麗)の家族に27,000人民元の罰金を支払うように(領収書なし)命令して、彼女を釈放した。
3月17日、警察は裁判審理中のティアン・アイジュを保釈するために、ティアン・アイジュの家族に25,000人民元の保釈金を払うように(領収書なし)命令した。
3月18日午前9時頃、保釈金の支払いでツァン・チウランが釈放されて裁判を待つ目的として、警察はツァン・チウランに40,000人民元の罰金を科し、 贈答品用として総計10,000人民元以上を支払うように、彼女の家族に命令した(共に領収書なし)。
3月23日、ツァン・メイランの尋問に失敗した後、警察は彼女に12,000人民元の罰金を科したうえ、贈答品用として総計8,000人民元を支払うように彼女の家族に命令し、審理中の裁判で彼女を保釈した。
4月2日現在、彼女の家族はリー・チングの逮捕後、懲役期間の短縮のために弁護士費用として3,500人民元、役人を接待して贈答品を買うのに総計2,000人民元を支払ったうえ、 審理中の裁判で保釈金で仮釈放してもらえるよう28,000人民元の罰金を支払った (いずれも領収書なし)。
(4) 四川省南充市のキリスト教信者カップルが逮捕され、夫は実刑判決、妻は24時間監視され、完全に個人の自由を喪失。
リウ・ジアユー(劉佳玉)(女性、43歳)は、四川省南充市の全能神教会のキリスト教信者である。
2014年3月20日の夜9時、6人の私服警官が、水道管の取替を理由に、リウ・ジアユーの家の戸をノックした。戸が開くと、警官は中になだれ込んで家中を捜索し、信仰に関する本やMP4プレイヤー、マイクロSDカード、ノート型パソコン、プリンター、電気修理ツール、その他の品を押収した(全て今日まで未返却)。その後、警察はリウ・ジアユーとその一番上の姉を南充市にある西華師範大学のゲストハウスに連れて行って、極秘に尋問した(中国共産党がゲストハウスの1階と2階の合計23部屋を借りて、武装警護している。 キリスト教信者が各部屋に閉じ込められ、4人から5人で警備している。)
リウ・ジアユーの娘は3月21日の夕方釈放された。同時に彼女の夫も逮捕された(4年6か月の懲役判決を受け、今も強制労働収容所にいる)。
3月23日、国安大隊のドゥー(杜)隊長がリウ・ジアユーに尋問して、こう高らかに言った。「今回、お前の全能神教会に大規模な逮捕作戦を実施中である。これは、2012年末以来、1年間以上延長して続いている極秘追跡調査作戦だ。逮捕作戦の前に、我々は近々行われる世帯への抜き打ち検査について、プロパガンダ通知を各コミュニティの壁に貼りだしていた。真実を知らない人々は、我々が世帯を抜き打ち検査をしていると思うだろうが、実際には警察署の市民警察が自分の担当地域で信者の住所を確認して、絶対確実に逮捕できるようにしているのだ。逮捕作戦は「雷鳴3つの衝撃と畏怖」とも呼ばれ、公安省が監督する第14番事件の特殊機動部隊が、この地域の四川省、市、県、市町村の公安局及び県の国安大隊、武装警察、SWAT(特別機動隊)、市民警察の数百人を機動させている。四川省全域の公安部共同作戦のもと、「国家権力の転覆」の罪により全能神教会の信者を一晩で40名以上逮捕した。9日間連続で警察に尋問された後、思想を改造すべく、リウ・ジアユーは法律教育センター(思想改造基地)に送られた。入所後、リウ・ジアユーは24時間、インストラクター2人に監視された。 毎日、リウ・ジアユーは神への信仰について尋問され、神を冒涜する批判的な宣伝資料を読まされ、脅すようにこう言われた。「お前の神への信仰は、国家により禁止されている。我々に協力して知っていることを全て話さなければ、お前の子供を孤児院に送ってやる!」リウ・ジアユーは30日間以上、警察に思想改造を強制された。 彼女は2か月間以上拘置所に収監され、その間、国安大隊と省の公安部の機動部隊が2日か3日ごとに来て、彼女を尋問に連れて行った。リウ・ジアユーと夫が逮捕されたため、家族の面倒を見る者がいなくなった。長女は学校を中退して働くことを余儀なくされ、年下の子供2人は誰にも面倒を見てもらえない状態で家に残された。世論の圧力のもと、中国共産党の警察は、しぶしぶ裁判の審議中にリウ・ジアユーを保釈した。
2015年12月9日、裁判所はリウ・ジアユーに4年間の執行猶予付きで3年間の懲役を判決した。罪状は、国家権力の転覆と「邪教組織を使用した法律実施の弱体化」であった。
2017年1月16日、リウ・ジアユーは電話で裁判所に召喚され、刑事犯罪で判決状を発行された。この判決状にはこう書かれてあった。「当初の判決である4年間の執行猶予付き3年間の懲役刑は、再判決で無効となった。再判決も前の判決と同じく4年間の執行猶予付き3年間の懲役刑で、執行猶予期間は2017年1月5日から2021年1月4日である。更にもう4年間の懲役の刑期を務める必要がある。」彼女は司法局に連れていかれ、司法局では執行官が彼女に無理やり電子手錠(位置情報通知機能と盗聴機能が付いた腕時計の形をした手錠)をかけ、こう警告した。「これ以降、24時間、風呂に入る時も、この電子手錠を身に着けるものとする。外すと自動的に警察に警報が通知されるようになっている。南充市中央地区から出ても、自動的に警察に警報が通知されるようになっている!」リウ・ジアユーはまた、司法局に週1回テキストメールを送り、毎月1回司法局の会議に出席し、毎月20日前後にイデオロギー報告書を1通提出し、8時間コミュニティの矯正機関で労働奉仕をするようにも命令された。
リウ・ジアユーは、個人的自由と通常の教会生活を完全に失った。彼女は中国共産党警察の拷問下にあり、苦痛と悲しみと共に生きている。リウ・ジアユーの娘も、また突然警察がなだれ込んできて母を連れ去るのではないかと恐怖におののく生活を送っている。
(5) 福建省厦門市の母と娘が全能神を信じたために、中国共産党政府によって逮捕・監視。
福建省厦門市に住むチェン・イー(陳怡)(仮名、女性、44歳)が福音を説いた罪により、2012年12月に中国共産党警察によって逮捕された。その時は逮捕当日に釈放されたが、後日2013年5月のある日の午前8時半頃、思想改造のために、2人の公務員によってホテルの部屋に連れていかれた。彼女に信仰を放棄させようとしたのだった。その後、2014年1月から2017年最初の太陰月の6日まで、政府の役員が毎年チェン・イーの家に行き、少なくとも8回は彼女の居所をスパイしていた。
2014年7月に中国共産党は過去に逮捕した信者の再逮捕を再開した。チェン・イーは隠れ家に逃げざるを得なかった。 村で書記官を務める党員のリー(李)、村の幹部と町役場の職員数人がチェンを自宅で探したがいなかったので、家を建て直すと言って妻を呼び戻せと夫に強制した。彼らは数日ごとにチェン・イーの職場に行って、彼女の居場所を聞いた。その結果、彼女は雇用契約の期間より2か月早く仕事を首になった。
過去数年間、中国共産党政府はチェン・イーを監視して頻繁に嫌がらせをしていたため、彼女の個人の自由が全くなくなっていた。中国共産党は彼女の10代の娘にさえ情けをかけなかった。2016年8月17日の朝、チェン・イーの娘チェン・イング(陳英)(仮名、17歳)が賃貸の家で宿題をしていると、午前10時頃にいきなり激しくドアがノックされるのを聞いた。ドアが開いて私服警官4人が入ってきた。そのうちの1人はチェン・イングをビデオカメラで撮影していた。令状を見せた後、警官の長が聞いた。「誰がこの家を借りているんだ?お前はここに一人で住んでいるのか?神への信仰のためにお前に会いにここに来る者はいるか?」次に部屋の中を捜索し、チェンの携帯電話、充電器、Uディスク(学習補助)、聖書関連の記事、MP5プレイヤーを見つけた(携帯電話と充電器は後で返却されたが、その他の品は返却されなかった)。警察はチェンにMP5 プレイヤーを指ささせてその写真を撮った。警察はまた質問した。「自分が何を信じているのかわかってるのか?お前は全能神を信じている。全能神への信仰は国家によって禁止されている。」チェンはきっぱり反論した。「法律は信仰の自由があると言っていませんか?」その警官はこう言った。「政府が規制している寺院や教会で祈るのは許可されている。全能神を信じることは禁止されている。」その後チェンは警察署に連れていかれた。午後3時頃、逮捕された全能神教会のキリスト教信者を警官がチェンの所に連れてきた。チェンに身元を確認させるためであった。彼はこう問い詰めた。「この女はお前のリーダーか?」チェンはリーダーだと言わなかった。チェン・イングは18歳以下なので、尋問は夜11時までだった。警官はチェンに「行政処分決定」に署名させ、彼女を釈放した。
2017年3月27日午後4時過ぎ、学校の校長がチェン・イングに学校を自主退学するように伝えた。理事を務めるその教師はこう言った。「今や国家はこの問題を非常に重視している。全能神を信仰することは法律違反で、国家によって禁止されている。」その時チェンは卒業まであとわずか1か月だったが、強制的に退学させられた。
2017年4月17日に町役場の職員が現地の警察署の警官3人をチェンの家に連れてきて、神への信仰にか関することを質問した。職員はチェンの携帯電話の番号も聞き、電話の電源を毎日24時間つけたままにするように要求した。
中国共産党政府の迫害が原因で、当初はこの母娘の信仰に反対していなかったチェン・イーの父親が著しく取り乱した。通学する幼い娘が母と姉の信仰に巻き込まれるのではないかと彼は心配した。中国共産党による逮捕と監視は、チェン・イングの若い心に影を投げかけた。この母と娘は苦悩し落ち込んだ。チェン・イーの夫は途方に暮れると、しばしば救いを求めてアルコールに頼っていた。元は平穏だったチェン・イーの家庭は、中国共産党の脅威により混乱に陥った。
(6) 河南省周口市の普通のキリスト教信者4人が集会を理由に逮捕され、1人は拷問されて逃亡、もう1人は違法に拘留される。
ツァン・ミング(張明)、男性、48歳、項城居住者、タン・ロング(唐栄)女性、53歳、フアング・イング(黄英 )(女性、56歳)、ツァオ・ベイベイ(趙貝貝)、女性、16歳。3人とも淮揚の居住者である。4人とも全能神教会のキリスト教信者である。
2017年3月28日午前9時過ぎ、この4人は淮揚県のある村の会議室に集まっていた。地元警察の警官3人が突然白いバンで到着した。彼らは家になだれ込み、(令状を見せずに)捜索して、神への信仰の本を20冊以上、MP5プレイヤー1台、32G メモリカード4枚を押収した。ツァン・ミングは逃げようとしたが、警察に捉えられて無理やり手錠をかけられた。4人はパトカーに押し込まれ、地元の警察署に連れていかれた。午前11時過ぎ、淮揚県公安局の国安大隊に移された。
国安大隊では、警察がツァンを拷問台に座らせていた。11時半に警察は4人のキリスト教信者を捜索して、別々に尋問した。ツァン・ミングから1通の手紙、そして32Gと16Gのメモリカードを押収した。
午後2時に隊長と警官1人がツァン・ミングを尋問した。隊長は罪状をいくつかでっちあげてツァンを罠にはめ、無理やりツァンに認めさせた。ツァンが断固拒否すると、隊長は激怒した。ツァンにつかつか歩み寄ってツァンの足を踏みつけ、踵をグリグリこすりつけた。現場にいた他の警官は交代でツァンを平手打ちし、数10回顔をベルトで打った。打ち終えると隊長は意地悪く言った。「認めないなら、ラオハイ(ヘロインの俗称)を飲ませて、ヘロインを注射し、お前の身体を全身虫に刺されたみたいにしてやる。我々が認めろと言ったら、認めろ。そうしないと、お前を殺してその身体を火葬場に送り込んでやる。人間、灰になった時が一番賢いんだぜ!中央政府は我々に、全能神を信じるお前を横柄に扱えと命令している。死ぬまで叩きのめしてやることもできるんだぞ。そうなったらもう答えられないぞ。」それから木製の椅子の脚をツァンの足の指の上に置き、ある警官がその椅子の上に立って椅子を前後に揺らした。数10分後、木製の椅子は鉄製の椅子に取り換えられた。警官は交代で鉄製の椅子の上に立ち、何度も繰り返してツァンの顔に平手打ちしながら、数10分間ツァンの足の指を砕き続けた。ツァンの頭はぐるぐる回り、目には星が見えるような気がした。.あまりに痛みがひどかったので、こう叫んだ。「もう好きにしろ、殺せよ!」警官は敵意むき出しでこう言った。「そりゃ考えが甘いぜ!ここじゃ、死んだ方がマシだと思うんだぜ!」
警官はツァン・ミングの尋問を続け、ツァンに事実無根の罪状を無理やり認めさせようとした。ツァンは拒否した。隊長は怒り狂って言った。「俺が何かこれはお前のだと言ったら、そう認めろ。認めるまで叩き続けるぞ。」それから彼はあらゆる種類の拷問装置を持ち込んだ。ペンチ、千枚通し(「返り」付き)、電子警棒、ベルト。またしても隊長はツァンの顔をベルトで数10回殴った。ツァンの口と顔は血だらけになった。彼らはツァンのシャツを脱がせ、背中をベルトのバックル(鉄製の輪)で数10回打った。隊長は脅した。「認めないと舌をペンチで掴んで、認めるまで「返り付き千枚通し」で突き刺すぞ!」その後、隊長はツァンの舌をペンチで掴もうとした。ツァン・ミングは素早くよけた。隊長はツァンの首にベルトを巻き付け、頭を拷問台に動かないように縛り付け、口と顔をペンチでしっかり掴んだ。電子警棒でツァンの肩、腕、足に数10回衝撃を与えた。ツァン・ミングは痛みでうめき声をあげた。しかし、警察は止めなかった。彼らはツァンに衝撃を与え続け、ツァン・ミングが苦しめば苦しむほど楽しんでいた。ツァンの全身は電子警棒によるショックで感覚を失い、傷やあざだらけになった(電子警棒による火傷の痕は20日以上癒えなかった)。午後11時になってやっと警察は尋問を止め、ツァン・ミングを拷問台の上で一晩眠らせた。
翌日の午前8時頃、隊長と他の警官2人は、コンピューターの中にツァンを思想改造するための資料を見つけた。中国共産党からの批判的な資料であった。ツァンは痛みに耐えながら異議を唱えた。「国家は信仰の自由を与えているのではないですか?」警官は横柄に言った。「信仰の自由は、国家が定めた範囲内で認められている。」ここがどんな場所だか知っているのか?この飾り板に「国安大隊」と書いてあるのが見えるだろうが?我々の仕事は、国家を守ることだ。我々はお前を殴って国家から賃金をもらっている!」10時頃、この警官は、警察のインターネット信者名簿の中にツァン・ミングの名前を見つけられなかったので、ツァンの足の指をまた踏みつけた(ツァンは足の指を怪我して歩けなくなり、10日以上経ってもわずかに回復しただけであった)。そして、スポーツシューズの片方の靴底でツァンの顔をまた殴った。ツァンの歯は殴られたせいでグラグラして、血が口から流れ出していた。警官達はツァンを打ちのめしながら、ツァンを叱責していた。「床の血をなめなきゃいけないぜ!」と。(ツァンの顔は裂け、歯肉の皮が一層ペロリと剥がれていた。)11時頃、ツァンはトイレに行かせてくれと頼んだ。警察は言った。「俺の質問に答えるまで、トイレに行かせてもらえると思うな。小便も大便も床でしろ。床でした後、それを全部なめろ!」
午後6時頃、隊長は言った。「お前に福音を説いたのは誰だ?お前は何人率いている?教会は金をどこに保管している?(返答せず。)このお前の20数冊の本やカードだけで、3年間から7年間お前を監獄に送り込むことができるんだぞ。」隊長はツァンを脅したり惑わそうとしたりしながら続ける。「今すぐ送り込んだりはしないがね。明日お前を釈放してお前の一番上のリーダー達を見つけてやる。帰ったら、トイレに行っている間に逃げてきたと言うんだ。お前に3カ月間やる。全能神教会に潜入して、覆面捜査官になれ。3カ月間でこの任務を完遂できなければ、お前の村でお前のことを言いふらしてやる。お前がここから出て外の世界に顔向けできなくなるように、生きていけなくなるようにな。信者にもお前が教会を裏切ったと言いふらしてやるから、お前は教会から追放されるぜ。我々に協力していれば、お前を役人にして金をたっぷりやる。お前が逃げて捕まえられなければ、お前の息子を捕まえてやる。外にはたくさんセキュリティ・カメラがあるから、お前が逃げたのに気づくのが遅れても、お前は逃げられないぞ。海外に逃亡しても、お前を連れ戻せる!」
タン・ロング(唐栄)を尋問中、ある警官は彼女の髪を掴み、怒り狂って言った。「何年間お前は神を信じていたんだ?我々が逮捕した男の名前は何だ?彼がお前のリーダーか?これらのMP5 プレイヤーとカードの持ち主は誰だ?誰がお前のためにこれらをダウンロードしたんだ?・・・」返事はなかった。警官は怒ってファイルを1冊手に取り、それで繰り返し繰り返しタングの顔を殴り、激しく何回も太ももを踏みつけた。「言わないと殺すぞ!」とののしりながら。タングは殴られて一時的に気を失い、ショックを受けた。ぐるぐるめまいがして、目は目尻まで腫れ上がった。タングは15日間違法に拘留された。彼女は生活費として140人民元を徴収された。警察は彼女も脅した。「外に出てまた神を信じたら、逮捕するぞ!」と。
フアン・イングを尋問中、警官が彼女に聞いた。「お前、どこの出身だ?」それから本を1冊手に取り、それを使って彼女の目や額に殴打を浴びせたため、彼女は目がクラクラした。彼はフアン・イングの額も押さえつけて目をしたたか殴り、頭も感覚がマヒして何も感じなくなるほど殴った。警官は残忍そうに聞いた。「いつ神を信じるようになったのだ?どのくらいの期間信じている?お前に福音を説いたのは誰だ?どうやって知り合ったんだ?」次にキリスト教信者の名前を何人か挙げて、彼女に身元を確認させた。フアンは彼の言うことを聞かなかった。この尋問で成果はなかった。フアン・イングは病気だったので、早朝1時に警察はしぶしぶ彼女を帰したが、彼女の家族に血圧測定料として140人民元を要求した。
3月29日午後3時、ツァオ・ベイベイを家族が迎えに来た。 彼女が去る前に、警察は彼女を脅した。「また神を信じると、捕まえて即座に監獄に送り込むぞ。」と。ツァオ(Zhao)は、1か月に1回警察に電話するように言われた。
4月1日午後2時、国安大隊の警官2人がツァン・ミング(張明) を家に送り届け、彼に携帯電話を渡した。その後、警察は数日ごとにツァンに電話して、教会の誰かが彼に接触してきたかどうかを聞いた。うまく取り繕って全能神教会に潜入するように彼を急かした。
ツァン・ミングが釈放された後、家族全員が大声で物を言わなくなった。娘は怯えて数日間食べられなかった。集会にも行かず、神の言葉も読まなくなった。後日、彼の息子と娘は家にいるのが怖くなった。家から離れて働かざるを得なかった。ツァンと妻は神経がピリピリ張り詰めることが多くなった。怯えすぎて夜眠れなかった。公安局の人間がやってきて自分達を逮捕する悪夢を頻繁に見た。中国共産党の逮捕、迫害、嫌がらせから逃れるために、ツァンと妻は自宅から逃亡せざるを得なかった。中国共産党のせいで家族がバラバラになり、転居せざるを得なかった。
(7) 中国共産党によって重慶市の80歳の老人の家が捜索され、老人は思想改造中に気絶。
グオ・フア(国華)、男性、80歳、重慶市江津地区の居住者、全能神教会のキリスト教信者。
2017年3月23日11時過ぎ、警官や村の委員会長など6人の人々がグオ・フアの賃貸家に突然やってきて、令状を見せずに捜索した。次に警察はグオをパトカーに押し込んでグオの家に連れていき、合計4台のMP5プレイヤー、タブレット・コンピュータ、神の信仰に関する多数の本、信仰関連や福音の資料を押収した。後日、グオの携帯電話を無理やり収用してホテルに連れていき、密かに尋問と思想改造を行った。
翌日、警察署で尋問中にグオ・フアは、胃の病気が突発的に再発するとともに、脳への血流供給が滞った。警察はグオの状態を無視して、警察署の尋問室に無理やり連れて行って質問しようとした。 警官は神への信仰に関することを全て教えるようにと、グオに言った。彼らはグオの答えに満足せず、こう脅した。「ここがどこか知っているのか?ここは公安局だぞ。年だからボケた振りが通じると思うな。教えてやる、これが今の共産党員の世界だ。共産党に逆らう者は誰であっても、最後にはいい目をみない。」それから彼らはグオをホテルに移した(彼らの思想改造の拠点)。警察は思想改造プログラムの一環として、全能神教会を中傷したビデオをグオに見させた。彼らはグオに神を否定して神を裏切る書類に無理やり記入させようとした。グオは拒否した。警察の強制と脅しで、グオは突然目の前が真っ暗になり、ペンを持つ手がどこもかしこもブルブル震え始めた。自宅の住所さえほとんど書けなくなり、次に突然ベンチに倒れて気を失った。
慰謝料を恐れた警察は、グオの子供達に電話をかけて、グオを病院に送った。診察後、グオが突然気絶したのは、恐怖で脳血管が閉塞したためだとわかった。この時点で、警察は5日間続けていた思想改造を止めてグオを一時釈放するしか、他にどうしようもなかった。その後、老齢のグオ・フアは憤慨しながら、こう言った。「神を信じる者に対する中国共産党政府の迫害はあまりに邪悪だ。私のような80歳の老人さえ釈放しなかった!」
(8) 江蘇省邳州市のキリスト教信者が明白な理由もなく逮捕され、自宅が捜索され、裸で尋問・拷問される。
ワン・チュアン(王川) (仮名)、男性、47歳は、邳州市に住む全能神教会のキリスト教信者である。
2017年1月3日11時、警官6人が白いセダンに乗って、ワン・チュアンの家に来た。家に入ると、ある警官がワンに動くなと命令し、他の警官が家中を捜索し始め、階段さえ剥がしていた。MP3 プレイヤー1台とマイクロSDカード1枚を押収した。警官はワンのMP3 プレイヤーの出どころを調べ、次に彼に強引に彼に手錠をかけて、尋問のために市内のホテルに連行した。午後1時頃、ワンは、拷問台、電子棒、その他の拷問器具があるホテルの部屋に連行された。ワンはそれらを見て凍り付いた。その後、警察はワンの服を脱がせて裸にして、「裸の尋問」を行った。国家安全局支部の警官2人が、「教会でのワンの役割と子供の数」について、ワンに尋問し、こう脅した。「正直に言わないと、3年から5年監獄にぶちこんでやるぞ。」ワンの長女が南京の大学に通っていると警察は知った。南京に電話をかけて、ワンの子供達の大学出席を許可しないように要求した。次に「何年間神を信じているのか?」、そして「誰がお前に福音を説いたのか?」と聞いた。ワンは答えなかった。警官は怒って、ワンに拷問台に背を向けて立つよう命令した。警官はワンを後ろ手にして、ワンの手と拷問台の2つの輪に手錠を通してかけ、ワンの足を1m以上手前に引っ張った。ワンの身体は空中に宙ぶらりんになった。警官は怒鳴った。「お前を半月、歩けなくしてやるぞ。」ワンはこんな風に2回拷問された後、床に倒れ込んだ。腕が骨折したかのように痛んだ。
翌日、警察はワン・チュアンを公安局に連行して、それから1月5日に現地の留置場に移した。警察はワンを拘束中に他のキリスト教信者の写真を持ってきて、ワンに身元を確認させようとした。彼は確認を拒否した。後日、ワンの家族は裏から手を回そうといて金を支払った。警察は1月9日正午にワンを釈放した。
(9) 江蘇省除州市のキリスト教信者が神への信仰が理由で逮捕され、拷問・尋問される。
2017年3月22日午後8時頃、徐州市に住むキリスト教信者のワン・チェン(王辰) (女性、48歳)が、神を信じているとして密告者に通報された。副署長率いる警官3人がワンの家に押し入り、彼女を警察署に連行した。副署長は質問した。「お前は全能神を信じているのか? なぜ信じているのだ?」ワン・チェンが答えると、警察はワンをおだててこう言った。「お前は賢そうに見えるのに、なぜそんな馬鹿な真似をした?誰と集まっている?教会のリーダーは誰だ?これらの本はどこから入手した?(ワンが逮捕された後、警察はワンの家に戻り、神の信仰に関する本数10冊とMP5プレイヤー1台(後に返却)を押収した。)全て教えてくれたら、今晩12時までに家に帰してやる。 」ワンが言い争うと、警察は彼女をまた脅した。「お前の息子は政府内でうまくやっているぞ。正直に言わないと、息子の将来に差し支えるぞ。政府では、みんな、お前の息子が気に入っているのにな。お前が神を信じると、政府が息子の将来を台無しにするぞ。政府はお前の子供達や孫の将来まで介入してくるぞ。将来、お前の子供や孫は兵士や公務員として勤められなくなるぞ。よく考えろ!」ワンは鋭く言い返した。「なぜ横領や収賄、レイプや売春をしている人々を逮捕しないのですか?」なぜ彼らではなく、神を信じている私達を逮捕するのですか?」警察は怒鳴った。「そんな態度で、今日家に帰れると思うな。」それからワンに手錠をかけ、鉄格子の中に閉じ込めた。
3月24日朝、警察はワン・チェンを公安局に連行し、「リーダーは誰だ?」や「これらの本の出どころはどこだ?」などと言い、ワンを質問攻めにした。ワンが答えなかったので、警官は怒り狂って彼女の顔を2回平手打ちしたので、彼女は目まいがした。警官は硬い革靴を履いた足で、忌々しげにワンの足指を踏みつけ、ねじった。ワンは痛みで冷や汗が走り、足の爪が剥がれそうになった(痛みは今も続いている)。午後8時、警察は電源が入っている拷問台の上に、容赦なくワンを押し倒した。電気ショックで即座に彼女の身体が震えた。呼吸が速くなり、ワンは気絶した。顔を汗が流れ落ちた。ショックのあまり、ズボンに失禁した。半時間後にワンが意識を取り戻した時、警察はワンにゆっくり息をつく暇も与えず、尋問を再開した。何回も何回も彼女に電気ショックを与えた。ワンは電気ショックでぐったりして、苦しそうにあえいだ。死にそうな気がした。尋問は朝4時頃まで続いた。自分が監視を担当している時に死体になっては困ると思った警察は、拷問台を開けた。気絶したワンが、床に転げ落ちた。3月25日朝、国安大隊の隊長がこう言った。「全能神を信じることは法律違反だ。政府は許可していない。」それからワンは留置場に連れていかれ、「邪教を信じた」罪で7日間拘留された。3月31日朝、140人民元の生活費を支払って釈放された。
ワンを釈放してから4か月間に6回、警察はワン・チェンの家を訪れた。国家安全大隊の隊長は、こう言って彼女を釣ろうとした。「全能神の信者を教えてくれたら、お前を虐待しない。」ワン・チェンは断固拒否した。警察の圧力と迫害が原因で、この報告書の発行時点では、未だにワン・チェンは普通に集会に出席できない。
(10) 江西省宜春市に住むあるキリスト教信者が6回逮捕・4回拘留される。
グー・チーアング(顧紫陽)(女性、59歳、宜春市在住) が、主イエスを信じた後、盛んに追われるようになった。 彼女は集会の説教者になった。
第1回目の逮捕:グー夫人が主イエスを信仰したため
1997年4月のある朝、グー夫人が神を信仰していると密告者が通報したため、グー夫人は田んぼで稲の苗を植え替えていた時、警察署に連行された。警察署に着くと、警官4人に自分の宗教について質問された。グー夫人がキリスト教、イエスを信仰していると警察に伝えると、警察は彼女を非難してこう言った。「何と、邪教を信じているのか!」それから彼らは好き勝手な言葉を口にして、それで状況が一転した。グー夫人が怒って反論すると、警察は脅した。「お前は不正直だ。今日お前を数年間刑務所に送ってやるぞ。お前がどう対応できるか見てみよう。」その後、警察はグー夫人を刑務所に送り込まないから、グー夫人に50人民元を払うようにと言った。10日以内に払えば刑務所行は免れるのだ。彼女は帰宅を許可された。10日後、彼女の家にその金を取りに来た警察は、彼女を投獄しようとしたが失敗した。
第2回目の迫害:グー夫人が全能神の「最後の日々の働き」を受け入れた後、逮捕されて、40日間拘留された。
2009年9月14日午後8時頃、グー夫人は家で夕食を食べていた。突然警官4人が押し入ってきて、神の言葉を記した多数の本、CDプレイヤー1台、ディスク20枚以上を押収した。警察は彼女に手錠をかけて、パトカーで警察署に連行した。
パトカーから降りた後、警察はグー夫人を後ろ手にして手錠をかけ、警察署の窓につないだ。主イエスに祈っていた時に彼女が持っていた捧げ物の領収書をある警官が取り出し、領収書に記載されている名前の身元を言わせようとした。グー夫人はその人物を知らないと言った。警察は、言わないと痛い目に合わせるぞと脅した。尋問してもどうしようもないことに警官が気づくと、憎々しげに彼女の顔を数回平手打ちしたため、彼女は目がクラクラした。グー夫人はこう言った。「私を死ぬまで殴っても、知らないものは知らないんです。」警官は怒って歩き去っていった。その後、他の警官が彼女を窓から外して、後ろ手にして手錠をかけて椅子につないだ。その時、グーさんは右足に50kgの鉄車輪をはめられたので、バランスを失って足を動かせなかった。警察は何回も金の置き場所を言わせようとしたが無駄だった。2時間後、他の警官が手錠と足かせを外して彼女が椅子に座るのを手伝い、警察が知りたいことを教えて苦しみを終わらせたらどうだと彼女を説得した。グー夫人は何も言わなかった。早朝1時頃、警官数人が順番に連続して尋問した。2時間交代だった。次に彼女を後ろ手にして手錠で窓につなぎ、冷たい風で彼女を凍えさせようとした。若い警官がやってきて、神への信仰状況を捜査した。彼女ははっきり答えなかった。警官の反応は、彼女の足の指をものすごい勢いで砕くというものだった。グー夫人は痛みで叫び声をあげた。朝3時まで拷問され、3時になると、次のグループが尋問を引き継いだ。未だに尋問で何の成果もなかった。警官は意地悪くタバコの吸殻をグー夫人の鼻の中に詰め込んだ。タバコの吸い殻の端が燃えながら彼女の鼻に近づき、彼女が嫌そうな表情を浮かべるのを見て、警官は高らかに笑った。「お前の神を呼んで、吸殻を出してもらえよ!」グー夫人はタバコの吸い殻を鼻から押し出すために、何回か鼻から息を出す必要があった。その後、翌日午後4時まで手錠で窓につながれた。警察はグー夫人を留置場に送り、40日間違法に投獄した。
第3回目の迫害:グー夫人は福音を説いていて逮捕され、15日間拘留された。
2012年11月2日午後8時、グー夫人と2人のキリスト教信者(彼らの話は別途記載)が、村で福音を説いていると、村の幹部に通報されて逮捕された。警察署では、警官が電子警棒を持って警備にあたり、彼女達が話すことや動き回ることを禁止した。数時間後、警官数人がグー夫人の家に行って家宅捜索を行った。誰も家にいないのを見て、強盗のように窓を飛び越えて家の中に入り、どこもかしこも捜索した。彼女の家を上へ下へとひっくり返して、神への信仰に関する多数の本、MP3プレイヤー3台、CD-ROMディスク1枚を押収した。警官が警察署に帰ったのは、午前1時過ぎだった。朝3時過ぎに、警察はグー夫人の個人情報と彼女の信仰状態について尋問を開始した。翌日午後5時頃、警察はグー夫人と他の2人に「公共の秩序を乱した」という罪状を科し、拘置所に送って15日間拘留した。
第4回目の迫害:グー夫人が集会で逮捕された。
2016年8月3日午後4時から午後5時の間、グー夫人はチァオ・シャン(僑珊) (女性、60代)とグオ・ガング(郭鋼) (仮名、男性、60代)というカップルと集まっていて、密告者によって通報された。警察は現場で神への信仰に関する本を20冊以上押収した。グー夫人とグオ・ガングはパトカーの中に引きずり込まれ、警察署に連行された。それから警察はグー夫人を自宅に連れて行って自宅を捜索し、神への信仰に関する多数の本、MP5 プレイヤー1台、神への信仰の資料1セットを押収した。次にグー夫人をまた警察署に連れて行って尋問した。この期間、グー夫人に食事を与えなかった。夜11時にエアコン付きの部屋で、彼女は寒さと飢えでひっきりなしに吐き始めた。12時過ぎに、警察はいやいや彼女を釈放した。
第5回目の迫害:グー夫人が特に明らかな理由もなく、10日間拘束された。
2016年8月4日朝8時、グー夫人はチァオ・シャンの家に何かを取りに行った。家に入ろうとしたまさにその時、パトカーがドアの所に停止した。尋問者がグー夫人を見て、怒って詰問した。「なぜお前はここにいるんだ?」グーは言った。「自転車を取りに来たんです。」警察は彼女が立ち去ろうとするのを止めた。それから警官3人がグーとチァオを引っ張ってパトカーに乗せ、警察署に戻った。そこで警察は裁判をせず、そのまま彼女達を直接拘置所に送り、「神への違法な信仰」の罪で10日間拘置所で拘束した。
第6回目の迫害:グー夫人が特に明らかな理由もなく自宅で逮捕され、10日間拘留された。
2017年7月21日午後4時頃、警官5人がまたしてもグー夫人の家に押し入った。警察は家に入って、グー夫人宅を奇襲しあらゆるところを捜索し、MP5プレイヤー1台とマイクロSDカード1枚を押収したのだ。その後、警察はたった今何をしていたのかとグーに質問し、彼女は四川地震のビデオを見ていたと答えた。警察はグーが今もまだ自宅で神を拝んでいる証拠があると言って、彼女をパトカーに引きずり込んだ。70歳を超える隣人が警察を咎めて、こう言った。「何で彼女を逮捕してるんだ?彼女は毎日法律に違反せず、鶏や鴨を育ててるだけだぞ。」人々の批判にも関わらず、警察は強引にグー夫人を警察署に連れて行った。警察は尋問室で、またしても彼女の個人情報と押収したプレイヤーとカードの出どころについて質問した。警察は尋問に1時間以上かけて、無理やり告白書に署名させ、強引にプレイヤーを手に取らせてその写真を撮った。夕方警察は彼女を留置場に送り、10日間違法に拘留した。この期間、婦人警官がグー夫人と話した。何人の人々が神を信じているのか、教会はどこにあるのか、その他どこで人々は集まっているのかなどを探り出そうとしたのだった。グー夫人はそれについて何も言わなかった。監獄から釈放されるとき、ある警官が強引に彼女の手を取って、神を冒涜する文書に署名させた。
中国共産党が絶えず迫害と逮捕を行うので、グー夫人は神を信仰し、自分の義務を果たして普通に会合する権利を奪われた。警察の追跡調査とストーカー行為を避けるために、家でしか神を拝めなかった。家でさえ、神への信仰がいろいろな形で制限されているので、彼女は非常に苦悩し落ち込んでいる。
(11) 神への信仰が理由で、河南省焦作市のキリスト教信者が3回逮捕・1回拘留され、住み家が常に監視される。
第1回目の逮捕
2014年9月30日午前10時頃、河南省焦作市に住むリウ・ジー(劉杰) (男性、45歳)という全能神教会のキリスト教信者が、職場で勤務中に、現地の国安大隊の私服捜査官4人によって、現地の警察署に連行された。
警察はリウ・ジーを大隊に連れてきて、こう言った。「通報によると、お前は全能神を信じている!お前の家に行って、神への信仰に関する本があるかどうか、見ようじゃないか。あれば、たっぷり説明してもらうぞ!」それから警察はリウ・ジーから玄関のドアの鍵を無理やり受け取り、リウ・ジーの警護用に警官1人を残し、後の警官は車でリウ・ジーの家に直行して捜索を行った。
リウ・ジーの家に到着すると、警官2人がリウ・ジーの妻ワン・シン(王馨)(女性、45歳、キリスト教信者)に、名前、年齢、職場、全能神を信じているかどうかを聞き、宣誓書に署名させた。警察が捜索していると、リウ・ジーの家でキリスト教信者を3人見かけた。警察は直ちに応援部隊を要請し、捜索を続けた。あるキリスト教信者の鞄から、身分証明書、手書きの讃美歌と個人的なメモを押収した。警察は現場で4人を別々に尋問した。この事件の最中、警官は学校から帰ってきたばかりのリウの娘にさえ尋問した。「お前の仲間の者たちはいつここに引っ越してきたのだ?どこから来て、何をしたのだ?」娘は知らないと言った。午後1時に警察はワン・シンと他の3人を警察署に連行した。その後、警官2人が戻ってきてリウ・ジーの家を捜索したが、何も見つからなかった。
ワン・シンと他の3人が警察署に連行されたが、その中の1人はチャンスを掴んで逃げた。リウの家で、リウが神を信仰しているという証拠が見つからず、尋問に成果がなかったため、警察は午後4時に不承不承その4人を釈放した。
警察は立ち去る前に、特にリウ・ジーにこう言った。「このことを外部に他言するんじゃないぞ!」
第2回目の逮捕
2014年10月10日午前9時頃、職場で働いていたリウ・ジーは、リーダーの部屋に呼ばれた。部屋に入ると、前回彼を逮捕した国安大隊の警官2人がいた。リーダーはリウ・ジーにこう言った。「彼らと一緒に警察署に行きたまえ。」リウ・ジーは彼らによって無理やり警察署に連行された。警察署ではリウ・ジーの筆跡を別件の筆跡と比べた後、釈放した。
第3回目の逮捕と拘留
2014年10月18日午前10時半頃、地元の国安大隊の警官5人(私服警官で婦人警官が2人、男性警官が3人)が、私用車2台でリウ・ジーの家に来た。リウ・ジーに聞きたいことがあると言って、地元の警察署に連行した。連行時、警察は妻にこう言って脅した。「次はお前を連れに来るぞ!」と。(2014年10月21日、妻は中国共産党政府の逮捕を逃れるため、逃亡せざるを得なかった。彼女は今日に至るまでホームレス状態のままである)。
警察署でリウ・ジーは警官3人に尋問された。ある警官が尋ねた。「どんな風に全能神を信じ始めたのだ?お前に福音を説いたのは誰だ?どこで会っている?お前の本はどこだ?さぁ、話せ!」リウ・ジーは何も言わなかった。他の警官がこう言ってリウ・ジーを脅した。「お前のような奴は監獄に送られるべきだな。話さないと、鉄製の椅子(中国の拷問用椅子)に座らせるぞ!ちくしょう、お前のベルトを外せ・・・!」
それから警察は教会リーダーの署名とリウ・ジーの本名が記載された資料を見せた。それでリウ・ジーを釣ったのだ。「こいつらを知ってるだろう?お前はどの教会に所属してるんだ?XX(地名)教会所属か? 尋問で何の成果も得られなかったので、警察は「邪教を信じて社会秩序を妨げた」罪を問い、10日間拘留した。
警察は拘留所でまたしてもリウ・ジーを脅した。「もしまた神を信じたら、次は刑務所に送ってやるからな。そうなりゃ、お前は仕事を失うだろうよ!」
2014年10月28日、リウ・ジーは拘束から釈放された。
釈放後、地元の警察署は、リウ・ジーが毎日どこに行ったか何をしたのかなどをリウ・ジーに毎日報告させるようにと、リウ・ジーの職場のリーダーに指示した。それ以来、リウ・ジーは自由を失った(1年後になってやっと、彼はこっそり集会に参加した)。更によくリウ・ジーを監視するために、警察はリウ・ジーが住んでいる従業員生活ビルに面した出入り口にモニターを設置し、24時間監視した。
2017年3月17日午後、警察署から婦人警官2人(私服)が、口実を設けて、リウ・ジーの家を調査しに来た。
2017年3月28日午後4時、またしても警官4人がリウ・ジーの家に行き、神への信仰について質問して彼の写真を撮った。
2017年6月16日、警察署の召喚により、リウ・ジーは自分の職場を担当する部署に出頭させられた。警察は彼の妻の居場所について質問したが、成果はなかった。 警察が何度も職場にリウ・ジーを探しに来るので、同僚が巻き込まれるのを恐れて、リウ・ジーを嫌がって仲間外れにし始めた。そのためリウ・ジーは職場で気まずい思いをするようになった。
(注記:上記の事例では、報復を避けるため、仮名を使用している。)
添付 II: 「全能神教会に対する中国共産党の迫害の略歴(A Brief History of the CCP’s Persecution of the Church of Almighty God)
A.「全能神教会に対する中国共産党の迫害の歴史(完全版)」(A Long History of the CCP’s Persecution of the Church of Almighty God)
1949年に中国共産党が権力を握って以来、中国本土のキリスト教とカトリック教は、中国共産党による全面的な弾圧と迫害の対象になっている。中国共産党はキリスト教とカトリック教のハウス協会をコントロールするために、公的管理下にある三自教会にこれらの教会を強制参加させるとともに、非公式な全ての宗教団体を邪教と指定して、聖書を邪教本とした。多くのハウス協会が無理やり違法化されて無数のキリスト教信者が逮捕・投獄、拷問、労働改革の判決を受け、中国共産党によって少なくとも数万人のキリスト教信者が殺されている。中国共産党は外部世界に向けては、宗教を信じる自由を促進して、多数の国連条約にも署名している。しかし、国内では宗教の信仰を密かに抑圧して残酷に迫害している。中国共産党の党紀では、宗教を完全に廃止・根絶して中国を無神論の国にして、中国共産党の永久的独裁を確保することになっている。
全能神教会は1991年に設立されて以来、中国共産党政府から残酷な弾圧・迫害を受けてきた。全能神教会のキリスト教信者は、中国共産党政府により、集会や福音を理由に逮捕され、判決を言い渡され、残忍に拷問され、この結果、時には死亡した者もいる。例:河南省のチェン・イー(陳怡)、男性は、元々現地の教会の仕事仲間で、1991年3月12日に全能神の神国の福音を受け入れていた。3月27日、チェン・イーを含む12人が集会のため黒竜江省に旅行した。帰宅時、地元警察によって逮捕され、地元警察に連行された。拘留期間、警察は様々な手段を講じて、チェン・イーに対して拷問を行った。無理やり彼を氷点下5度の冷たいコンクリートの地面に足を組んで座らせ、延々冷水を頭、体、靴の中に注いだ。チェン・イーが少しでも動くと、警察は彼にパンチを食らわして蹴りを入れた。この拷問は40日間続いた。4月8日、 黒竜江省政府は「反共産党、反革命、反人間、反政府及び体制転覆」の罪で、12人のキリスト教信者の首に標識を付けて行進させた。チェン・イーは48日間拘留された後、河南省に移され、2年間労働を通じて再教育された。他の11人のキリスト教信者は各々の故郷の町に送り返され、そこで拘留された。チェン・イーは強制労働収容所内で非人間的な虐待に苦しみ、横断と肝炎を患った。刑務所は、治療禁止だっただけではなく、超過労働が強制されていた。割り当てられた仕事が終わらないと、食べることも眠ることも許されなかった・・・2年間の刑務所生活の後、チェン・イーは身体的にも精神的にも疲れ果てていた。仕事をする力も完全になくしていた。釈放後、チェン・イーは更に2回逮捕された。健康状態が徐々に悪化し、1996年3月に46歳で亡くなった。
B. 中国共産党は邪教として全能神教会を批判して残忍な弾圧を実施。
1995年、中国公安部は公式文書を発表し、呼喊派、全能神教会(東方閃電)、全範囲教会などを邪教とし、その後、これらを必死で弾圧、逮捕、迫害した。2000年と2005年に公安部は公通字(2000)第39号 と公通字(2005) 第39号を発表し、14 の邪教を非難した。その様々な罪状は、「気功という宗教の名を借りた詐欺」、「リーダーの神格化」などであった。これらの邪教には、全能神教会や他のキリスト教系ハウス協会も含まれていた。2002年2月、ハドソン・インスティテュートの宗教自由センターが、1991年4月から2001年10月に中国共産党が発行した中国政府の7つの秘密文書について、分析報告書発表した。この中身の大半は、全能神教会(真の神全能神、東方閃電)の禁止方針であった。10この分析報告書が示すところによると、これらの保安幹部は聖書のことを知らず、基本的なキリスト教の主張の解釈を間違えている。これらの宗教はキリストが信者の中に再臨して「リーダーが神格化される」集団であると判断して、不当な批判をしている。更に特殊なのは、この「公に無神論を唱える国家」と「公に無神論を唱える幹部」が、真の宗教教義の判断者として自らを位置づけ、これを基準に信者に投獄と拷問を行っていることである。
これ以降、中国共産党は全能神教会を禁止すべく、邪教と戦うという大義名分のもと、死にもの狂いで全能神教会を弾圧・迫害している。中国共産党のリーダー達は緊急会議を何回も開き、多くの極秘文書を作成して発表している。彼らは以下のような様々な卑劣な手段を採用した。テレビ、放送、新聞、インターネットその他のメディアを使い、全能神教会を中傷し、罠にはめ、名声を汚す。全能神教会の信者の家に恣意的な捜索や奇襲をかけ、罰金を科し、財産を押収する。ハイテク手法を採用して監視と追跡調査を実施し、捜査網と全面的な捜索を行い、あらゆる所、あらゆる階層をくまなく捜査し、様々な機会を捉えて大規模に極秘逮捕を行い、たとえ拷問と殴打で全能神教会のキリスト教信者が死ぬ結果となっても拷問を実施する。2011年から2013年にかけてのわずか2年間という短期間の不十分な統計でさえ、中国本土の全能神教会のキリスト教信者380,380人が、信仰と福音のために、「国家転覆」や「公共秩序を乱す」などの罪状で、中国共産党に拘留され投獄されたことがわかる。 このうち、111,740人が違法に罰金を科されたり金を脅し取られたりしている。その金額は総計で約243,613,000元に達する。 35,330宅の家が奇襲をかけられ、奇襲時に公安局とその下部組織の部署により、少なくとも10億元(全能神教会や個人財産の資金も含む)が強制収用されたか、中国共産党警察のポケットに入っている。43,640人がいかさま裁判の様々な拷問で苦しみ、何人かはそのような拷問で障害を負い、その後自分で自分の世話ができなくなっている。薬物を注入され、統合失調症になった者もいる。13人はこの期間に殺された。多くの人々の居場所や彼らがどのような運命を辿ったのかは、今も不明である。今日まで、中国共産党に殺された証拠書類があるのは、44人である。これらの事件のうち何件かは、「全能神教会の神の選びし民に対する中国政府の逮捕と迫害の決定的な証拠」(Ironclad Evidence of Chinese Government’s Arrests and Persecutions of God’s Chosen People from the Church of Almighty God)に挙げられている。11
C. 中国共産党は念入りに「5月28日マクドナルド店殺人事件」活用計画を立て、この事件を使って公然と全能神教会への弾圧をエスカレート。
中国共産党は死にもの狂いで全能神教会に対する弾圧と迫害を行うために、あらゆる手段を使い果たしたが、全能神の神の国の福音は今も中国本土で急速に広がっているため、中国共産党の懸念が更に高まっている。中国共産党は全能神教会を完全に禁止するため、人々を罠にかけるという、いつものトリックにまたしても頼った。念入りに「マクドナルド店殺人事件」活用計画を立て、全能神教会を罠にはめ、この殺人事件を世論を操作して同教会を公然と弾圧する根拠としたのだ。2014年5月28日、山東省招遠市のマクドナルド店で殺人事件が発生した。この殺人事件の発生から3日後、裁判も実施されていない時に、新聞聯播(ニュース配信)、焦点訪談(フォーカス・レポート)、東方時空という3つの中国共産党テレビ番組(CCTV)が、殺人者は全能神教会信者だと公に名指しして、全能神教会を非難してその名声を汚し、最高の視聴率をあげた。 同じ日、公安部が「5月28日マクドナルド店殺人事件」を根拠に、全能神教会に対する特別是正措置を公に発表し、全能神教会だけではなく、キリスト教系やカトリック系のハウス教会全てに対しても、それまでより更に残酷な弾圧と迫害を展開した。メディアの報道によると、6月11日現在、全能神教会の無実のキリスト教信者が少なくとも1,500人逮捕されている。12
2014年6月16日、CPC中央員会の邪教撲滅部が全国電話会議を開催し、全能神教会に対する全国的な特別是正措置「100日キャンペーン」を実施した。 これにより全能神教会への弾圧がエスカレートして政治的な緊急課題となり、「厳しい処罰」「継続的な棄教」「全面捜査」及び実施に伴うその他の主要点が提案され、その文書が都市のあらゆる所に配布された。その後、中国共産党は1000万元を使い、全能神教会の弾圧に突出した成果を示した職場や個人だけではなく、情報を通報した一般大衆に報酬を与えることにした。13このため、全能神教会は前代未聞の宗教迫害に直面した。
中国共産党内部の情報筋によると、2014年7月15日に、浙江省温州の人民大会議室で、全能神教会の一斉検挙に関する特別会議が開催された。南京軍事地域のスタッフ責任者、南京軍事地域の物流責任者、上海軍需物資機関理事、温州市の市長代理、温州市町村書記官、その他の中国共産党高官に加えて、温州軍事地区駐屯司令部、武装警察、交通警察、予備部隊、前線部隊の代表者300人以上が、一斉にこの会議に出席した。 2014年8月、中国共産党は武装警察と通常警察を大がかりに機動させ、全能神教会のキリスト教信者を死にもの狂いで逮捕ようとした。
直ちに全能神教会のキリスト教信者が多数、逮捕されて刑を宣告され、家を奇襲され、投獄され、拷問されて障害を負ったり殺されたりした。少なくとも50万人のキリスト教信者が逃亡を余儀なくされ、住み家を失った・・・。中国共産党公式メディアの報道である新華社によると、2014年6月16日から2014年8月19日の間に、全能神教会のキリスト教信者1000人近くが逮捕された。14この期間に少なくとも6人がこのような迫害で死亡していることを示す証拠書類がある。15国際人権組織フリーダム・ハウスによる中国の宗教的自由に関する2017年度報告書では、 2014年末までにキリスト教信者への中国共産党の迫害が急増したと主張されている。中国の裁判所が下した多数の判決を分析すると、これらの判決の80%が全能神教会に対する判決で、その逮捕と投獄の理由は、信仰と表現の自由を平和的に行使したことであり、他人への暴力に関与したことではなかった。今日でも、2014年の「100日キャンペーン」の公表内容及び中国共産党による全能神教会キリスト教信者の逮捕に関するレポートをインターネットで閲覧できる。16
8月21日、山東省煙台の人民中級裁判所((中級人民法院)で「5月28日マクドナルド店殺人事件」の重要な公聴会が開かれた。この審議中、ツァン・リドング(張立東)その他の被告人は、彼らが全能神教会の信者ではなく、全能神教会と何の関係もないことを明確にしている。17しかし、中国共産党は依然としてこの招遠の事件を使い、引き続き全能神教会の名声を汚し、非難し、弾圧している。「5月28日マクドナルド店殺人事件」が中国共産党によって念入りにでっちあげられ、中国本土の全能神教会や他のハウス協会に対する弾圧と迫害の拡大に使われたことが、事実によって実証されている。また、これによって中国共産党の今後の宗教政策がキリスト教の中国化を推し進めることであることが見て取れる。この中国共産党の対策は、1989年の天安門事件で愛国的学生運動に対して行った弾圧と全く同じである。
D. 中国共産党は全能神教会への迫害を拡大し、その黒い魔手を海外にも拡大。
「5月28日マクドナルド店殺人事件」後、中国共産党は中国の国内外で全能神教会を罠にかけ、その名声を汚すことを煽り立てると同時に、「反邪教」という横断幕を大々的に掲げ、全能神教会に対して露骨な弾圧と迫害を行った。以下は、中国共産党に採用された主要対策である。刑法改定、判決の罰金引き上げ、全能神教会のキリスト教信者に対する迫害拡大に法的根拠を提供。多数の会議を開催し、全能神教会を禁止する文書を発行し、キリスト教信者を逮捕するために具体的な対策を手配。全能神教会のキリスト教信者の中には、ますます厳しくなる迫害を逃れて、海外に逃亡する者もいる。そのため、中国共産党はいわゆる「海外反邪教闘争」を開始して、その黒い魔手を海外に伸ばしている。
1.刑法改定、判決の罰金引き上げ、全能神教会のキリスト教信者に対する迫害拡大に法的根拠を提供
1997年3月、第8回全国人民議会の第5期会議で刑法第300条が改定され、18犯罪を犯す邪教の組織化や活用に対する規定が定められた。その後、この定めは中国共産党が邪教信者を有罪にして罰する主な根拠となった。2015年8月、中華人民共和国第12回全国人民議会の常設委員会で、中華人民共和国の刑法改定案(IX)が可決された。19この改定により、「邪教」と分類された団体に対する罰則が増え、従来の最長投獄期間が15年間から終身刑に延長されたうえ、罰金、財産の収用、政治権利の剥奪などの追加的罰則も定められた。この改定法は、中国共産党にとって、宗教信仰を弾圧するための重要な法的武器となる。この法律の施行以降、全能神教会への迫害がまた一層激化した。
2012年12月9日、全能神教会のキリスト教信者ツェン・リンジング(曾令英)は、福音のために刑法違反の罪で、新疆アクス市の公安局によって拘留された。後に保釈金を払って釈放された。2016年9月23日、ツェン・リンジングは、邪教を組織化して活用し法律を弱体化した疑いで、沙雅郡の公安局によってまた拘留され、同年10月28日に彼の逮捕が承認された。2017年1月11日、アクス中級裁判所(アクス地区中級人民法院)は、邪教を使って法律を弱体化した罪で、ツェン・リンジングに12年間の懲役刑、4年間の政治権利の剥奪、5,000元の罰金を言い渡した。20
2.多数の会議を開催し、全能神教会を禁止する文書を発行し、キリスト教信者を逮捕するために具体的な対策を手配
2015年3月に、第12回全国人民議会の第3回会議における最高人民検察院の業務報告で、最高人民検察院の院長チャオ・ジャミング(曹建明)が、全能神教会を厳しく罰する政策を提案しただけではなく、邪教との闘いを主要任務の1つとして位置づけた。21この会議に発表された業務報告で、ツォウ・チャング(周強)最高裁裁判長はこう言った。「我々は反邪教闘争に積極的に参加し、邪教を使い法律を弱体化するという犯罪を法に則って罰するべきである。」222016年3月に第12回全国人民議会の第4回会議で提出した業務報告で、ツォウ・チャングは反邪教闘争への積極参加を再度強調した。.23
中国共産党の第610部は、2015年度抑止対策と2016年度抑止対策を実施し、全能神教会を一斉検挙した。その際、全能神教会のキリスト教信者に包括的な捜査を実施したが、これは事例ファイルを隅から隅まで見て各家への捜査を実施し、教会の信者を追跡調査することで行った。全能神教会の多くのキリスト教信者が逮捕され、しつこく拷問された。
2016年10月24日、 江蘇省南京の全能神教会のキリスト教信者であるヤン・ジュン(楊軍) (男性、46歳)とリー・メイ(李梅 (女性、47歳)が、国安大隊警察により逮捕された。罪状は「神を信仰することは、社会秩序を乱すことであり、国家法の違反である」であった。 このカップルは南京浦口温泉街の町警察に連行され、その日の午後、浦口地区の時興賓館というホテルの地下室に移送され、密かに審理された。警察はこのカップルに非人間的な殴打による拷問と薬物乱用を実施した。その結果、リー・メイはあちこち傷を負い、恥骨の両側が骨折し、失神し、頻繁に幻覚を見るようになった。これらが原因で様々な重度の病気を患った。ヤン・ジュンは殴打に耐えたが、背中を伸ばすことができなくなり、肋骨は1本折れ、 両肩の甲靭帯が損傷した。薬物乱用が原因で、多数の幻覚を見て自分自身に話しかけるようになった。完全に意識を取り戻したのは、2017年2月初旬になってからだった。
3.全能神教会のキリスト教信者の中には、ますます厳しくなる迫害を逃れて、海外に逃亡せざるを得なかったた者もいる。そのため、中国共産党はその黒い魔手を海外に伸ばし、キリスト教信者の逮捕と迫害を続けようとしている。
(1) 2014年6月16日、中国共産党の第610部は、全能神教会に対する特別是正措置について、全国電話会議を開催した。会議では、現場は更に一層努力をして海外で秘密部隊を構築し、常に海外での諜報活動と工作活動の能力を向上させ、韓国、香港、台湾などで全能神教会を捜査することが定められた。
例:2015年5月18日、リー・ツェンユァン(李蘭英)という名の全能神教会キリスト教信者が、韓国から中国の延吉に戻ってきたとき、延吉警察に逮捕された。警察は全能神教会が制作した映画と聖歌ビデオを見せて、リー・ツェンユァンにフィルムに出ている俳優と観客が誰か教えろと強制した。また、彼を殴って服を剥がし、金属ポールに手首をくくりつけて、金属ポールから彼を吊るした。中国共産党警察は6日間昼も夜も残酷に拷問した後、家族を使ってリー・ツェンユァンを脅し、韓国に戻らせた。そこで彼が覆面の情報提供者として活動し、韓国の全能神教会の人名リスト、会員番号、教会情報、全能神教会の上層部の状況を提供するために。リー・ツェンユァン(は、中国共産党の要求を飲まざるを得ず、機会を得て韓国に戻った。 それが中国共産党政府の被害から逃れる唯一のチャンスだった。24
(2) 2015年6月頃、中国共産党の第610部は、中国を去った全能神教会の信者(1999年以前に中国を去った信者も含む)について、オンライン捜査、海外捜査、特別一斉検挙などで、捜査を実施するように現地のスタッフに頼んだ。これは,包括的、正確、体系的に基本状況を掴むためであった。 海外で実施する活動、中国内の親戚の職場なども捜査対象であった。各信者について分析と検討を行い、中国内の彼らの知り合いと協力し、1対1方針で特別稼働計画を策定した。25全能神教会キリスト教信者のツァン・フー(張福)が中国共産党計画の犠牲者の1人となった。
2015年2月、ツァン・フーが迫害を逃れて韓国に行った。神への信仰が原因だった。 2016年5月、中国共産党はツァンの妻ティアン(田)(苗字)をそそのかして、中国共産党の捜査官と一緒に韓国に行かせた。彼らはツァン・フーを罠にかけてホテルに滞在させ、彼が眠っている間にパスポートと携帯電話を盗んだ。彼らはツァン・フーに中国に帰国してほしかったのだ。しかし最後の瞬間、空港でスリリングな逃亡に成功した。2016年8月、中国共産党は全能神教会に災いをもたらすため、再度ティアンさんを煽って、ティアンさんを身元不明の人物数人と一緒に韓国に行かせた。外国メディアを使い、世論を操作してツァン・フーを中国に帰国させ、全能神教会について中傷的な噂を巻き散らした。26
1991年に全能神教会が設立されて以来、中国共産党は全能神教会に対する一度も迫害を止めたことがなかった。この報告書は、ここ数年間の全能神教会に対する中国共産党の弾圧の概要に過ぎない。これは発見できる弾圧のごく一部に過ぎない。2017年、中国共産党は全能神教会に対する一斉検挙の規模を継続的に拡大させ、キリスト教信者への迫害が激烈になっている。