中国: 全能神教会の信者は国家暴力の被害者: 拘留中の高翠琴(コウ スイキン)さん殺人事件

HRWF (13.11.2017)–2014年5月28日、中国山東省招遠市で殺人が行われた。説教のためにマクドナルド店に入った6人が、彼らに電話番号を教えることを拒否した客1人を殺したのだ。中国当局はこの殺人を「カルト殺人」とみなし、全能神教会(東方閃電とも呼ばれている)の犯罪であるとした。同教会に対しては、遥か昔に弾圧キャンペーンが開始されていた。イタリアの社会学者で新興宗教研究センター(the Center for Studies on New Religions)の設立者兼理事を務めるMassimo Introvigneは、中国の当局筋が発表した文書など、この事件について入手できる文書に基づいて研究を実施し、中国の公的声明とは異なる結論を引き出した。殺したのは、全能神の名前を誤用していた小さな宗教運動の信者だった。彼らはその女性リーダー2人を「全能神」と呼んでいたのだ。彼らの言う「全能神」は、「全能神教会」とは何の関係もなかった。この小さな団体は全能神教会(東方閃電)の一部ではなく、全能神教会とつながっていなかった。最近CESNUR(新興宗教研究センター)が発表したMassimo Introvigne博士の調査文書を参照されたい。

殺人後の数日間から数週間に中国政府は全能神教会に対して全面的な弾圧を開始し、その信者を逮捕して投獄した。マスコミ報道によると、2014年6月11日までに全能神教会の信者が少なくとも1500人逮捕され判決を言い渡された。信者が連続逮捕された後、同教会の信者高翠琴(別名張平「チョウ ヘイ」)が当局に抑留中に殺害された。53歳の高翠琴は、山東省淄博市桓台県索鎮町の居住者で、2003年に全能神教会に入信した。

高翠琴の逮捕とその後の死:時系列

報道によると、2014年7月15日午前6時半頃、高翠琴が家で料理中に、6人の私服警官(男4人、女2人)が彼女の家の中に入ってきた。警官が家に入ってきた時、高の義母と義理の姉は外で立っていた。家族によると、警官は高を桓台県の索鎮町警察署に強制的に連行する前に、身分証明書を見せていなかった。同じ日、同じ村から来た他のキリスト教徒2人、王(オウ)(別名李敏「リ ビン」、女性、67歳)と劉(リュウ)(別名呉涛「ゴ トウ」、男性、50歳)も逮捕された。その日の昼頃、警官達は高の家に戻ってきて、投獄中の高の生活費を義母に払うように頼んだが、義母はこの依頼に従わなかった。

報道によると、高は2日後に警官によって撲殺された。

本教会の信者の報告によると、7月17日午前11時頃に警官が救急車を呼んで偽の救急活動を行ったと桓台県の聖傑病院の医療スタッフが主張している。  救急車で医者が到着したとき、高は既に死亡していたので、救急隊は遺体を引き取らなかった。次に警察は、山東大学斉魯病院の桓台診療所に電話して、病院に被害者を送るために救急車を送ってくるように言った。

7月17日午後1時に、張(チョウ)警察署長が高の夫を呼んで、高が突然重病になったので病院に運んだと伝えた。高の夫劉は、妻の死を知らされなかった。

約1時間後、高の妹、兄、義姉が病院に行った。しかし、高は入院患者として登録されておらず、家族は高を見つけられなかった。

午後6時に高の夫劉は警察に会い、警官に妻の容態を聞いた。すると彼らは夫を病院に連れて行き、病院で夫は鼻に呼吸管を挿入されていた高の遺体に会ったが、高が既に死んでいたのは夫には明らかだった。心電図の線は平坦で波がなかった。劉の報告によると、 医者は心臓ペースメーカーで妻を助ける振りをしていたが、到着時に既に死んでいたと医者達が認めているのをふと耳にした。

それから劉は妻の写真を撮った。

緊急救命室のある医療スタッフは、高は病院到着時に既に死去していて、顔は緑紫色で著しく膨れ上がっており、殴られた形跡があったと主張した。

同じ警察署に拘留されていた本教会のシスターはこう言っている。7月17日午前5時に、高を尋問していた隣の部屋から、バンバン叩く音と恐ろしい叫び声がするのを聞いた。

拘留されていた本教会の別の信者の報告によると、張警察署長が電話で「・・・やったぜ。電気警棒て彼女を殺してやった・・・」と話すのを聞いた。

7月18日午後、高の家族が葬式のために遺体の準備をしに行った。家族の報告によると、高の膝から下の足、胸、顔はひどい傷を負っていた。

長年公安局にいたと主張する匿名の男が遺体を分析し、遺体の傷は、椅子に縛り付けられ電気警棒で突かれて非常に強い電流を流された傷に一致すると結論づけた。

限定情報

高の死後、警察は村の書記係に高の夫劉と交渉するように頼んだ。7月18日、劉はこの事件を村長に報告した。次に同市のリーダー達は、Liuと交渉してこの件を内々に片付けるよう、公安局と風紀捜査部の職員3人を任命した。

高の殺人は捜査ファイルに入れられていなかった。高の死に責任があると思われていた警官2人が姿を消したことが報告されている。

高の家族は捜査を録画したビデオを見たいと要請したが、警察は却下した。

警察の報告では、高は心臓病の持病があり、突然心臓発作を起こして死んだとある。高の家族の報告によると、高が心臓病になったことは一度もない。

警察はひそかに交渉をすることを高と劉の家族に納得させようとして、彼らに圧力をかけてせっついた。劉は息子の安全を心配して、最後にはこの件を内々に示談することを決意した。

この件は未だに政府当局が捜査しておらず、未来永劫、捜査されることはないだろう・・・

 

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CHINA: Members of the Church of the Almighty God victims of state violence: the murder of Ms. Gao Cuiqin in custody