OSCE、ウイグル族と全能神教会の難民保護を要請

ワルシャワで開催されたOSCEの会議に出席したマッシモ・イントロヴィーネ氏、非政府組織のCAP-LCのクリスティン・ミレ(Christine Mirre)氏とティエリ・ヴァレ(Thierry Valle)氏、そして、人権問題を専門とするアレックス・アミカレリ(Alex Amicarelli)弁護士。
ワルシャワで開催されたOSCEの会議に出席したマッシモ・イントロヴィーネ氏、非政府組織のCAP-LCのクリスティン・ミレ(Christine Mirre)氏とティエリ・ヴァレ(Thierry Valle)氏、そして、人権問題を専門とするアレックス・アミカレリ(Alex Amicarelli)弁護士。

欧州安全保障協力機構(OSCE)の人権実行会議の年次総会で、3名の講演者がOSCEの加盟国に対し、迫害を恐れ、中国から逃げてきた難民を受け入れるよう要請した。

マルコ・レスピンティ(Marco Respinti)

 

9月13日、ワルシャワで行われたOSCEの人権実行会議の年次総会で、3名の講演者が加盟国に対して、宗教が原因で中国から逃亡してきた難民を認めるよう求めた。

国境なき人権に所属するウィリー・フォウトレ(Willy Fautré)氏全能神教会に焦点を当てていた。フォウトレ氏は、キリスト教系新興宗教団体の全能神教会への中国での迫害について説明し、拷問や裁判を通さない処刑、全能神教会への明らかな迫害を認めず、全能神教会の難民の多くの受け入れを拒み、一部を中国に強制送還してしまうという一部のOSCE加盟国の恥ずべき態度に言及した。

難民の宗教的自由の観察機関(ORLIR)の理事を務めるロシータ・ソリテ(Rosita Šorytė)氏もこの恥ずべき行為を非難していた。ソリテ氏は、ドイツから中国へ強制送還された趙雪良(チョウ・シュエリャン)さんに言及した。趙さんは8月31日に帰国後の中国で「行方不明」になった。趙さんの保護に関しては、非政府組織、赤十字、ドイツの福音派教会が保護を求めていた。「本日、加盟国の代表者の方々にお願いしたいことは、全能神教会の名前を理解し、覚えてもらうことです。この団体に関してご自身で詳しく調べてみて下さい。中国のメディアや中国のメディアをコピーしただけの西洋のメディアの報道を鵜呑みにせず、独立した非政府組織(NGO)や学界のソースから得た信頼できる情報を参考にして下さい。人々の人生を弄ぶ権利は私たちにはなく、人々を死に追いやることは許されません」とソリテ氏は語った。

Bitter Winterのマッシモ・イントロヴィーネ編集長は、CESNUR(新興宗教団体の研究センター)の代表として講演を行った。同氏は中国では宗教の自由において以下の3点の望ましくない展開が起きており、OSCE加盟国に影響を与えていると述べた – 1. 2018年2月に厳格な新しい宗教事務条例が施行されたこと、2. 法輪功や全能神教会を含む邪教(異端の教え)と政権がレッテルを貼り、禁止した団体への弾圧が激化したこと、3. 「再教育収容所」と呼ばれる集団収容所に100万人をこえるウイグル族が拘束されていること。その結果、主にウイグル族や中央アジアのイスラム教徒、全能神教会の信者が、中国から西ヨーロッパと北アメリカへと押し寄せ、OSCE加盟国に影響を与えている。イントロヴィーネ氏は「フェイクニュースが原因で、難民に対する全般的な敵対心が生まれ、難民法の解釈に関して混乱が生じています。そのため、アメリカ合衆国を除くOSCE加盟国に対する、全能神教会の2200名以上の信者による難民申請のうち、認められたのはわずか320名でした」と報告した。

望ましい決断を下す確率が高いカナダとスウェーデンは称賛に値する。また、イタリア政府は全能神教会やその他の団体に関して、より正確な情報を得るため、学会との連携を開始した。しかし、その他の国々では、全能神教会の信者や、その他の迫害を受けている中国の宗教団体の難民は拒絶されており、一部においては中国に強制送還され、送還後すぐに「行方不明」になる事態が生じている。

私たちは、全能神教会の信者をはじめとする宗教の迫害から逃れてきた中国人による難民の申請に対して、全ての加盟国には本腰を入れ、公正な判断を下し、また、投獄、拷問、さらには殺害を含む、申請者が中国で直面する可能性のあるリスクを真剣に評価することなく、強制送還を行うべきではないと提言したい。

OSCEの会議でオランダとイタリアに住んでいる2名の全能神教会の姉妹も自らの経験について話した。

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