新しい法律が新疆の強制収容所を「合法化」

新疆のウイグル族(Xinjiang, China –  Flickr Commons)

中国は、新疆ウイグル自治区の「教育による改心」のための強制収容所の存在を長きにわたり否定してきた。しかし、現在、新しい法律によりこの収容所への拘束が違法ではなくなったため、問題はないと発表した。

マッシモ・イントロヴィーネ(Massimo Introvigne)

 

Bitter Winterは「教育による改心」のための強制収容所をいち早く大々的に報道してきたメディアの一つである。この施設には150万人が収容され、その多くは宗教上の反乱分子と見なされている。そのうち100万人はイスラム教徒であり、その大部分を新疆出身のウイグル族とカザフ族が占める。「教育による改心」のための強制収容所という用語は分かりにくく、中国政府はこの分かりにくさをプロパガンダにおいて利用している。労教、つまり「労働による再教育」のための強制収容所は2013年に中国で廃止されている。そのため、中国政府は強制収容所に関する批判が古い情報に基づいているとして反論していた。しかし、実際には労教は「教育による改心」のための強制収容所に置き換えられていた。状況としては後者の方が劣悪である。この施設は学校ではなく、強制収容所である。この収容所では強制的な「脱信仰」に抗うと、拷問が行われ、場合によっては死に至ることもある。

「教育による改心」のための強制収容所は違法であった。中国の法律における明確な法的根拠は存在しなかった。しかし、2010年10月、中国共産党は、新疆ウイグル自治区人民会議の第13回常任委員会で反過激主義法の修正案を成立させ、公示を行った。そのため、中国政府はこの問題は解決済みだと主張した。この法律は、「過激思想による影響を受けた人々」を「教育による改心」のための強制収容所に拘束する行為を合法化し、標準化する。なお、中国共産党にとって、過激思想とは、棄教を拒む宗教家を意味する。しかし、この法律は新疆の強制収容所のみを合法化するものである。強制収容所は新疆ウイグル「自治区」の外にも存在し、イスラム教徒以外の宗教および政治的な反体制派の人々も拘束されている。

中国共産党が発表した新しい法律の別の規定では、違反およびその深刻度に応じた罰を詳述していた以前の条項が削除されている。以前は、比較的違反の深刻度が低い場合、公安局から批判されるだけであった。しかし、修正条項は違反者により厳しい罰を与える権限を当局に与えている。

要するに、収容所に拘束される、宗教の「過激派」(ロシアからヒントを得た用語で、中国共産党が公認も、管理もしていない全ての宗教のメンバーに使われる)が増え、より「厳しい」罰が与えられる可能性がある。

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