中国共産党が全能神教会を拷問し教化を試みるーーケース3

 肖雲(1968年生まれ、女性)は、雲南省に住む全能神教会のキリスト教徒である。2012年12月14日、肖雲は雲南省開遠市にて教会の本を配達中、開遠市公安局の役人によって逮捕、勾留された。2013年9月、肖は裁判所から「邪教組織を利用して、法の執行を妨害した」罪で懲役7年の判決を受け、その後刑に服するために雲南省の女子刑務所に送られた。
 刑務所では、セーターを縫う作業場での労働を割り当てられた。作業場はほこりと黒煙、生地の染料の有害な臭いが充満していた。肖は毎日13時間以上の長時間労働を強いられた。最初からめまいや吐き気を覚え、3か月後には呼吸困難になった。
 刑務所の役人は、肖に信仰を放棄させる「3つの陳述書」(自白の陳述書、断絶の陳述書、非難と批判の陳述書)への署名を強要するため、ありとあらゆる残酷な手段で拷問した。肖は、まる1か月4平米の部屋に閉じ込められたこともあった。その間、彼女はそこで飲み食いし、休まなければならなかった。肖は飢えた状態でいることも多かった。看守は1枚の掛け布を用意しただけで、肖はセメント板の上で眠らなければならなかった。監禁室から出た後、女性看守が肖雲を監視のない場所に引きずり出し、かかとの高い靴で肖の右のつま先を執拗に踏みつけ、砕けるまで踏み潰した。靴からは血が染み出し、肖は行く先々に血痕を残した。右足の指の色は、すべて青黒く変色した。「3つの陳述書」への署名強要に失敗したある時、看守は肖の右側を突然蹴った。肖は息ができず、ひどく痛がった(これにより背中を痛め、今も痛みは消えていない)。彼女はしばらく息もできなかった。その後、彼女に「3つの陳述書」への署名を強要する試みは続き、看守は手段を選ばなくなった。肖に1か月間体を洗わせないこともあった。時には肖を一晩中立たせ、たびたび食物の配給量を減らし、他の囚人に彼女を殴るよう指示した。また、顔が焼けて皮膚がめくれるまで灼熱の太陽の下に立たせて罰した。
 肖雲の体は、長年を通じて刑務所で受けた厳しい労働と体罰の結果、どんどん衰弱していった。当初46キロだった体重は、32キロまで落ちた。2016年に肺感染症であることが判明し、咳が慢性化したが、それでも大量の労働を強いられた。容態は悪化し、2018年には結核を発症。だが、刑務所当局は、彼女が最終的に釈放された2019年5月まで彼女の投獄を続けた。帰宅後、肖雲は病院で健康診断を受けたが、結核治療の遅れから左肺に病理学的変化が生じたことを医師に告げられる。あまりにも多くの損傷を受けたため、呼吸能力が根本的に失われ、治療方法もなかった。彼女には一生の障害が残った。